地域イベント


実施することが目的ではなく、目的を達成する手段がイベント
  地方自治体にお邪魔してよく聞かれることは自治体で行うイベントの相談です。その中で常に気になることが、地方自治体の7割近くがイベントがひとつの事業として予算化され、イベントを実施すること自体が目的となっていることです。
  地方自治体のイベントとの係わり合いは18年程前に遡りますが、まだイベントという言葉は今ほど露出してはいないころ、友人が、今でいうイベントグッズをセットにして紹介する事業を立ち上げ、新聞に「イベント商社」として紹介されました。そして、約千通ほどの問い合わせがありましたが、その半分は地方自治体からのもので、イベントの相談に乗ってもらえないかというものでした。しかし、内容は予算自体が少なく、とても東京から出かけていくことはできない規模のものが多く、これは公益機関に任せるしかないという結論に達しました。そこで各省庁および関連の公益団体等を探しましたが、該当する部署がなく、関東通産局の力をお借りして「ふるさとのイベントセミナー」を開催したところ大変な反響を呼びました。これを機会に、地域イベント診断等を経て立ち上げたのが、最初のイベント団体である日本イベントプロデュース協会(JEPC)です。
  しかし、当時はイベントの意義については、百人から百通りの答えが返ってくるというほど意識が統一されていない状況でした。会員で研究調査委員会が設置され、JEPCにおけるイベントの統一意義が検討されましたが、その中で最も重要なことは「イベントは目的を達成するための手段である」ということを明確に打ち出したことです。
地域づくりが先ず第一、必然的にイベント実施機会は訪れる
  以上のような経緯の中で、地域イベント診断という形で地域との関わりができたわけですが、初めて地域にお邪魔してイベントについての調査をしてみて唖然としたものです。イベント会場は立派なハードは整備されておりますが、地域づくりや地域おこし活動は何も行っていない、イベントは毎年定期的に行っており、お客様は近隣市町村から大勢集まる、しかし、折角他市町村から大勢の人が集まるのに、地域内ではそれらの人々を応対する機能は全くなく、終わってから自治体に残るのは多量のごみ・し尿処理費用のみというのが現状でした。何のために行っているのかの理由は、地域の知名度が上がるということですが、特産品や観光地があるわけでもなく、地域に人が訪れても地域の魅力はなく、また地域内でお金を落とす場所もないという状況の中では知名度のみ上がっても効率的な地域活性化は望めません。
  私はこのときから地域におけるイベントは、しっかりとした目的のないイベントについては、イベントを考える前に、まず、地域づくり、地域おこし活動を先行し、その活動が活発になれば必然的にイベントの必要性が起きるのでそれまではイベントは考えないよう指導してきました。
イベントの意義を見直し地域の活性化に活かしたい
  今日、イベントは社会的に認知されていますが、JAPAN EXPO等目的のはっきりしているものは別として、地方自治体が行う地域のイベントは、いまだ前述のような状況が続いているのが実感されます。現在でもイベント相談の要点は、イベントがマンネリ化している、イベントの実施者の人材不足、予算が足りなく資金を集める方法はという質問であり、しかも、イベントの目的については毎年実施しており、予算がついているから実施せざるを得ないというのが大半です。確かに、イベントの計画当初はしっかりとした目的のもとにイベントが計画されたことと思いますが、行政は2〜3年で部署が変わるため、引継ぎがうまくいかず、事業のみの引継ぎとなることによる弊害と思われます。
  イベントを体系的に学ぶイベント業務管理者の資格をもつ私たちは、今一度,地域イベントに携わる場合、イベントの意義を見直し、適切なアドバイスのもとに地域活性化のための効率的なイベントを指導していきたいものと願っています。